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BeLoved.
第36章 【暴走】
「流星…」
「──未結、”あれ”言え。今すぐ」
瞳に光を取り戻したわたしが彼の名を口にしても、返事はなかった。求められているものも、もう違う。
「…”未結の、なか…に、いっぱい…だして”…」
「いい子だ」
直後。深く繋がったまま、彼は精を吐き出した。避妊具越しなのにその熱さは伝わる。…わたしの奥の奥まで、彼で満たされたことを知らしめるように。
「っ、あ…」
全て受け入れさせるかのように、彼はそのままきつくわたしを抱き締める。
温もりと、清涼感のある香りに包まれる。脈打つ彼を飲み込んだまま、秘部はぴくん、ぴくんと蠢いた。
わたし自身は絶頂を迎えていない。不自然な体勢で激しく攻め立てられ、体中が痛い。縛られた手首も。
でもそれ以上にわたしを満たしているもの
それは、幸福感だった。
こんなに、求めてくれる人がいる
こんなに、愛してくれる人がいる
…嬉しくて堪らなかった。
ズキン、と鈍い痛みが警鐘を鳴らす。
それは間違っていると。わかってる。
でも……それでも。ああ、わたしは。
……本当に、こわれちゃったのかな…
「未結」
顔を伏せ呼吸を整えるわたしの耳元で囁かれたのは、またしても鏡を見ろという命令だった。
もう逆らう気などない。先程とは違い、抱き起こされるまま素直に鏡の方に視線を向けた。
「……」
そこに映るのは、わたしと、わたしを包み込むように覆い被さる流星さまの姿。
彼のその真っ黒で鋭い瞳は…まっすぐに、わたしを。
わたしだけを写していた。
「おまえは俺のもの。…愛してるよ」