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BeLoved.
第36章 【暴走】
「うーっわ、ひでーな。粉々だよ。未結が踏んだらどーすんだあのバカ」
殺伐とした空気を打ち砕く呑気な声。よく見ると電灯に照らされ、あちこちがキラキラと輝いている。床に落ちた破片を足で雑に隅に寄せ集めながら、声の主、流星さまはそう言った。
まるで何もなかったみたく、普段通りの口調で。
「これ明日業者呼んで片付けさせるわ。さーて、風呂入っかな。未結、おいで」
「え…、あ…」
わたしの返事を待たずに彼はさっさと着ているものを脱ぎ、浴室に消えていった。
程なくして微かな水音が耳に届く。
「………」
浴室へ続く、閉じられた擦りガラスの引き戸。
廊下へ続く、大きく開け放たれたままのドア。
交互に見やりながら、わたしは途方に暮れるしかなかった。
「どうしたらいいの…?」