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BeLoved.
第37章 【暴走の果て】
熱が下がってから、二日。
今日は日曜だけど、彼らはお仕事で終日不在。わたしが起床した頃には既に二人とも出掛けていた。
…というかここ数日、どちらともまともに顔を合わせていない。当然、会話らしい会話もなく、業務連絡的なメールが送られてくるだけだ(返信に返信はない)。
「……」
──ごめん、未結──
よみがえるのは、あの言葉。
あれは、熱に浮かされての幻聴じゃない。
触れた手の感触だってしっかり覚えてる。
会いたいな。
会って、直接話をしたいな…
そうでないと、なんだろう。そう…
このまま何もかも『終わって』しまいそうで。
しかしそんな最中、全く別の問題も静かに忍び寄っていたのだった。
──────────
「……痛っ…」
下腹部を押さえ呻きつつ、トイレを後にする。
そう、解熱してから変なんだ。排尿中とその後の、ツンとした痛み。一体どうしたんだろう…
そして、用を足したばかりなのに、またすぐに行きたくなってしまう。こんなことは初めてだった。
*
『──あぁ、それ、膀胱炎じゃないかしら。早めに受診した方がいいわ。あたしの友達に婦人科医いるから、連れてってあげるわね。大丈夫、女医だし日曜もやってるとこだから。そのまま待ってて。保険証忘れないでね』
患部が患部だけに、お医者様といえど椎名さまには言いづらくて。専門外とは分かっていたけど、羅々さま(歯医者さん)に電話を掛け相談してみた。
膀胱炎かあ…。電話のあとすぐさま仕度は終えた。待っている間、携帯で症状を検索してみたら今の状態にほぼ当てはまる。どうやら間違いなさそうだ。
「"女性は一生に一度はかかると言われている程、よくある病気"…かあ…。でも自然治癒はしないし、こじらせると大変なんだ…」
その後ほどなくして羅々さまから呼び出しの着信。荷物を手に家を出た。