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BeLoved.
第39章 【罪と罰。2】
彼が着ているのは入院着。いわゆる浴衣型のそれは膝丈で、脇腹の辺りを紐で結ってある。
彼はその紐をするりと外すと、片膝を立てた。必然的に、わたしが乗っていない方の生地は開け、胸元から足まで…そして、下着越しの昂りも晒け出されてしまう。
「れ…、だめ…っ!」
それが意味するもの。さすがのわたしでも察しがついた。強引な彼のこと。『欲しくて堪らない』…それを行動に移す気だ!咄嗟に顔を向け嗜めの声を上げたけれど…
「違うよ。ゴム無いんだから」
予想外の答え。でもその声にはやっぱり興奮が入り交じって…鼓動も早いままで。火が点いているのが判った。…違う?じゃあ、何をするつもりなの…?
「──ほんとはね、触って撫でていっぱいキスして……身体中全部舐め回して、味わいたい」
「……」
「そんなこと思うの、未結だからだよ」
上体がぴくんと跳ねてしまったのは。囁きが耳介をくすぐったせいだけじゃない。そして彼の願望が叶えられないのは『彼』のとき同様、避妊具がないから。──じゃあ、いったい…?
「だから未結にだけ見せてあげる」
「…?──!」
「"見て"て」
視界の隅に捉えたもの。それは勃ち上がりきって…先端を艶かしく濡れさせた彼自身。
いつの間にか剥き出させていたそれを、彼は左手で握りゆっくりと上下に動かし始めた。──嘘でしょ…?!
「っま、待って…?!誰か来ちゃったら…」
「誰も呼べないし、さっき未結がいない間に点滴も交換したから…しばらくは誰も来ないん…じゃない…」
ドアには鍵がない。だけど誰が来てもどうとでもするからいい。慌てるわたしを全く意に介さない、彼らしい言い種。裏付けるように、わたしを捉える右手の力も、彼自身に宛がわれた左手も、止むことはなかった。
「ん……っ」
手の動きに合わせて、くちゅん、くちゅん、と卑猥な水音が響きだす。それは彼自身から滲み出たもの。
滴り落ちるそれは蛍光灯に照らされて…堪らなくいやらしかった。…目が離せない。
「未結…、俺の、どうなってる?」
「…おっきくな…て…る」
「…"未結だから"だよ…。…っぁ…」
どんどん荒さを増す彼の息づかい。つられるように、わたしの呼吸も鼓動も荒くなっていく。
…わかる。わたし、興奮してる。すごく。普段の彼ならあり得ない姿態と、時折漏らされる、嬌声に。