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BeLoved.
第39章 【罪と罰。2】
わたしを強く抱き締め香りに陶酔しながら
自らの手で絶頂に上り詰めようとする、麗。
「、…ん…っ」
勃ち上がり脈打つそれの先端を掌で包み、上下に扱く動作が繰り返される。その度に漏れる蜜の音と…圧し殺せない吐息混じりの嬌声。
首をもたげれば、彼の表情が伺える。綺麗な顔が快楽に支配されて歪んでる。頬は紅潮し長い睫毛は伏せて揺れて。堪らなく扇情的だった。
「…大好きだよ、未結」
まっすぐ瞳を合わせて、伝えてくれた言葉。
嘘も偽りもない、わたしのためだけの言葉。
着衣したままのわたしと、だらしなく、肌と…痴態を晒す彼。『あの夜』とは真逆の状況。
彼のなかに存在するのは『わたし』だけ。
──たまらない。もっと…もっと欲しい。
『わたしだけ』の麗。
「未結…?──ッ!」
その衝動に駆り立てられるまま、わたしは彼の首筋に顔を埋め。あろうことか…噛み付いた。血が滲むまで。
それは初めて彼に刻み付けた…所有の証。突然の痛みに彼の下肢は強張ったが、引き剥がされることはなかった。
自分の唇に舌を這わせれば、感じるのは鉄の味。これはきっと『彼女』も─ううん、他の誰も知らないだろう彼の味。
──ああ、ほら、また。名前の知らない感情が拡がっていく。でもそれはとても『心地いいもの』なのだということは──もう判っていた。
「…信じてくれた?」
ふと、視線を落とせば。肩で呼吸を整える彼の姿。そして…独特のあの香りが鼻をついた。…いつの間にか吐射が果たされていたのだ。
「…ご、ごめんなさ…」
今更やってきた罪悪感に苛まれつつ謝罪したけれど、彼が聞きたいのはそんなことじゃない。
「信じてくれた?」
想いが伝わったか否か、だ。
答えなんか明白。瞳を見つめ返しながら告げた。「はい」と。
「…よかった」
「ごめんなさい…麗さ」
「恥ずかしいのと痛いの我慢した甲斐あった」
彼は首の痕に触れ小さく笑った。それを見たわたしは、自分から血の気が引いていくのがわかった。怪我させた。しかも…服じゃ隠れない位置に!
「嬉しいよ?」
慌てふためくわたしを後目に、彼は涼しい顔。そして何故かナースコールを手にしている。
「夢精した って言ってここ片付けて貰うね」
「わわわわたしがやります!」
『彼』以上の斜め上の発言に眩暈を覚えつつ。二人の時間は過ぎていったのだった。