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BeLoved.
第41章 【密室の獣】

「欲しい?未結」

その声がしたのは。『気持ちいい』から『焦れったい』に変わってきた頃だった。

「あ…」

触れられたくて堪らない奥の疼きは
彼が欲しくて堪らないって叫んでる。

「ん?」

彼はそれをわかってる。わかった上で言わせたいんだ。『あなたが欲しい』って。
だらしなくはしたなく自分を求めてくる、わたしを見たいんだ…

「俺は未結が欲しーよ」
「、ひあっ!」

互いを擦り付け合う動きが再開する。熱く固く勃ち上がった彼自身は…彼のそれと同じ様に、熱く固く勃ち上がったわたしの芯を愛撫する。

「あ……ぅう…っ、んっ、やあぁ…っ」

頭の中を電気が走ったような衝撃が襲って。
身体を支える膝が震えて倒れそうになって。

だけどもっと欲しくて…満たされたくて。
どろどろに溶けた理性の下から現れた本能は、彼の望む『わたし』を引きずり出した。

「…ぃ、ほしい…っ」
「何が欲しい?」
「流星が…、欲し… …あっ?」

欲望を言葉にした次の瞬間。わたしは床に押し倒され、仰向けにされていた。

「…ああぁ…っ」

開かれた足の間。その奥の奥に、温かくて…重く鈍い衝撃が走った。彼と繋がった瞬間。彼で満たされた瞬間。ひとつになった瞬間。

「…おまえ、挿入れた時の顔やべーよ。エロすぎ」
「ゃだ…恥ずかし……んんっ」

逸らそうとした動きは強引なキスで阻まれ。そのまま彼は…欲のままわたしを突き貫いた。…いつの間に装着けられていたのだろう、避妊具越しでも伝わる熱を、色濃く刻み付けながら。

「ふあぁっ!あぁんっ!ぁあ…っ」
「っあーすげ…、俺のにすげーハマる…」

昨日から何度も抱かれ愛された身体は
すっかり彼だけのかたちになっていて。

「俺のものって感じ」
「〰️〰」

普段は悪戯っ子のようなその笑顔も、今は独占欲が満たされたこの上なく妖艶な『男』のもので…奥がキュッと締め付けられた。


「あんんっ、あっ、りゅうせ…っ」

──寝室、リビング、玄関。今まで色んな場所で行為したけど…まさか台所でまで、なんて。しかもこんな…衝動のまま床で、なんて。
彼の肩越しに視線を巡らせれば、いつもと違う角度から見た見慣れた光景。

「もっとして……もっと…っ」

とっくに『彼』の日を迎えていたことにも気付かず、その非現実感に溺れ…ただただ互いを貪り合ったのだった。
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