この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
BeLoved.
第44章 【彼の根底にあるもの。2】

「うちの母親…まあ前も話した通り、ブッ飛んだ人だったんだけど。元々女の子が欲しかったの。名前も"麗"で"うらら"に決めてたんだって。で生まれたのが俺」
「……」
「諦めきれなかったんだね、そのまま"うららにする"って言い張ったんだって」

ここで流星さまが吹き出した。わ、笑うところ?確かに男の子に『うらら』…わたしも…ちょっと…とは思うけれど。

「そしたら唯くん…兄貴がね 『せめて[れい]にしたらどうか』って提案したの。『眉目秀麗、胸襟秀麗な人間になれるように』とか何とか後付けして。それで母親も納得したわけ」

あれ…気のせいかな。
麗さまの表情が少し険しくなってる…?

「そんな感じ。適当でしょ?だから誕生日自体どうでもいいの」

興味無い。言い捨てた時の彼は普段の表情だったけど。
…触れて欲しくない話だったんだ。

「何が面白いって、俺がこの話知ってるってことだよな。誰から聞いたか忘れたけど、普通言わねぇよな」
「お前ん家みんなイカれてるもんな。マトモなの唯くんだけじゃね?俺椎名からこの話聞いた時、笑ったし」

わたしの心境とは裏腹に、楽しそうな、でもちょっと意地悪い笑顔の流星さま。…もしかして、麗さまを傷つけるためにわざと話させた…の?

「流星それ姉ちゃんに言っとくわ」
「、マジ?」

あっさり返り討ちを喰らった流星さまを見て、そんな疑いは一瞬で消え去った。
この人はそんな回りくどいことしない…というか、できない人だった。これでもかってくらいわかりやすいものね。

「お前ほんっっとちっせーな、麗」
「おい悪口って自己紹介らしいぞ」

麗さまだって、本当に嫌なことならわざわざ話したりなんて絶対しないはずだ。

「…ふう」

不思議と心が軽くなっていた。以前なら慌てふためくしか無かった言い合いも、今ではじゃれあいにすら見えて。こうしてお茶を飲みながら眺める余裕さえある。

──考えてみれば、この暮らしを始めてもう丸一年。
わたしも成長したんだな。…いや、麻痺してきたというべきか。
/404ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ