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BeLoved.
第8章 【男と暮らすということ】
「未結、覚えてるよな?」
軽く掛け湯をされ、導かれるまま湯船に入り体育座りした。背中には浴槽の側面が当たる。彼も反対側の側面に凭れ掛かっているから、向かい合ってはいるものの間には距離があった。
「未結を女としても欲しいって話。俺も麗も、おまえとセックスしてーの」
「!!」
心臓を鷲掴みにされた。
前言の通り、流星さまは時間を無駄にしたくない人。だから話す言葉に前置きやオブラートは存在しない。
だけど…正直ここまでとは思わなかった。突然切り出されたその話に全身が硬直し動けない。
彼は構うことなく言葉を続けた。
「でも生憎俺ら、3人でする趣味ねーのよ。するなら未結を独占してーの。だから、一日交代。未結を抱けんのは"自分の日"の奴だけ。期間は午前6時までの24時間」
『独占したい』彼のストレートすぎる言葉は痛いほど胸を撃ち、鼓動を早くさせる。今はお湯に浸かっているから尚更だ。まだ数分も経っていないのに、逆上せそう…
「もちろんおまえの気持ちが最優先。したくない時ゃ拒否っていい。無理強いはしない」
「………」
「あとゴムは毎回必須。これは俺ら自分で用意するわ。他、なんか質問ある?」
突然話の主導権を渡された…が、あまりの展開の早さに気持ちが追い付いていない。聞きたいことは多分有るんだろうけど、言葉にならなかった。
だからわたしは、首を左右に振ったのだった。
「…ま、追い追いに、な。俺もこんなん初めてだし」
「す、すみません…」
「謝る必要なくね?」
ようやく絞り出せた言葉は謝罪。元を正せば全ての元凶はわたしなのだ。微かに曇りがかった心は、彼のあっけらかんとした言葉が晴らしてくれたのだった。
「未結、こっち来て」
「?はい」
おいでおいでと手招きされるまま、お湯の中を掻き分けるようにして彼に近づく。
「ちょ手、貸して」
「?……!うそ…っ!」
隣に座ると同時に取られた右手。導かれた先は…彼自身。水上からは見えないそれは…硬く勃ち上がっていた。
「なん…なんで…っ??」
「好きな女の裸見て興奮しない男なんかいねーって。さっきからずっとこの調子」
「あ……」
わたしの手を包み込むように、彼は自分の手を重ねる。反対側の手は、わたしの腰に回されていた。
「──で、今日。俺の日なのね」