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BeLoved.
第45章 【彼女の根底にあるもの。】
「っえ?」
「つか、このマンション自体がおまえのものだよ。つまり俺ら居候」
「いそうろう…って…えっ?え?」
何の話?ここがわたしのもの??ここは麗さまの持ち物なのに、この人は何を言っているんだろう。
だってもし仮にわたしが家主だったとしても、わたしはなんの義務も果たしていない。その…管理とか、税金的なものとか、一切。
「だって全部やってんの麗だもん」
権利と利益はわたしのもの。義務は『彼』のもの。要するに…そうなっているらしい。…何も知らなかった。
…そういえば彼ら言ってたっけ。自分たちは住所までは移してないって。…こういうことだったのか…
「俺らが居なくなっても、住処には当分困んねーようにね。居続けるもよし、売るもよし。後は任すわ」
「そんな…」
「まーおまえが俺のこと選んでくれたら、俺即行おまえ連れてココ出てくけどね」
彼はそこで目を伏せた。…つらそうに。
そしてわたしは──俺らが居なくなっても。その言葉だけが頭を巡って…何も言えなくなってしまって。
「…つーかさ…動いていい?」
「!ごめんなさい…」
それ以前に…行為の真っ最中にする話じゃなかった。