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BeLoved.
第45章 【彼女の根底にあるもの。】
選べない。だから、選ばない。
わたしは最初にそう決断した。
姿を消したわたしを、彼らは見つけた。
『そばにいてほしい』と手を差し伸べた。
わたしはその手を取った。
そして、一年。
住む世界が違うと何度も痛感させられ
怖い思いも沢山した。…でも、愛され
大切にされ満たされて。…幸せだった。
そして…一年。
未熟なわたしはいつしかそれに驕って。
彼らのつらさを知りながら目を背けた。
『愛してるよ、未結』
ずっとこのまま愛されていたかったから。
ずっと彼らの『最愛』でいたかったから。
──体の奥が熱い。
誰が決めた?
『わたし』が『終わり』を決めると。
…誰が決めた?
『彼ら』が『終わり』を決めると。
「───!」
動かなかったはずの手は拳になっていて、目の前のドアを殴りつけるように叩いていた。両手で。
無我夢中になっていたせいか、痛みは感じない。それどころか、打ち付けている感触すらしない。やかましく響くはずの音も聞こえない。
叫んでいるはずの声も聞こえない。ただ、頭の中では同じ言葉を繰り返していた。何度も、何度も、何度も。
『いらないもの』には目もくれない、彼らに。
ねえ
おねがい
『わたし』を見て
───ドアは開いた。