この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
BeLoved.
第1章 【はじまりは、別れから】

彼らのもとを去ったのは、昨年末。
あっという間に時が過ぎて、暖かくなり始めた頃。
その後のわたしの運命を大きく変える出来事が起きた。


唯一の肉親だった、母方の祖母が急逝したのだ。
小さい頃に両親と離別しひとりぼっちになったわたしを、家政婦として働きながら、女手一つで育ててくれたおばあちゃん。

優しく、時に厳しく。愛情をたくさん注いでくれた。
わたしは何不自由なく育ち、高校も卒業することができた。感謝してもしきれない。


『学費は何とかするから進学しなさい』


そうも言われたけど、これ以上負担はかけられない。今度はわたしがおばあちゃんを支える番だ。わたしは迷わず就職する道を選び、祖母と同じ家政婦派遣会社に入社した。


家事が好き。お料理が好き。何より人と触れ合うのが好き。天職だと思ったんだ。


それから二年。依頼されたおうちを何軒か周り、決められた時間内に求められる家事労働をこなしていく。
辛いこともあったけど、好きなことを仕事にできて、そしてそれを喜んでくれる人がいて。毎日がとても楽しかった。充実していた。


そんななか訪れた、永遠の別れ。
心筋梗塞だった。いつも溌剌として、元気で。太陽みたいな人だったのに。
お風呂で発作を起こして倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまった。

『あの日』。いつものように仕事を終えて帰宅し、一緒に晩ご飯を食べたあと。わたしが食器の後片付けをしていた時だった。

風呂場の方から聞こえた耳慣れない音。
様子を見に行ったそこには、洗い場に倒れ込むおばあちゃんの姿。
あまりの衝撃だったためか、この時のことはよく覚えていない。



…悪いことって重なる。


それから間もなく、所属していた家政婦派遣会社が閉じることが通達された。新年度を目前にして家政婦始め、社員はみんな解雇。

住んでいたアパートは、秋頃から始まるらしい道路拡張工事のため取り壊しが決定。早々に立ち退けとの通知が届いた。


これらは全て、三月に起きた話。嘘でしょ…?家族も仕事も住む所も一度に失い、わたしは途方に暮れた。
/404ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ