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BeLoved.
第17章 【彼と彼の兄と姉】
「……!」
「俺はいーよ?一番はおまえの気持ちだし」
…そんな今更。
「ぁ…ん…」
動きは激しいものから、緩やかなものへと速度を落とした。それでも弱いところを掠める感覚はもどかしく、激しくされていた時よりも却ってわたしから理性を剥ぎ取っていった。
「…、や……ぃゃ…っ」
伏せたまま頭を左右に振る。その状態で唇から零れたくぐもった声も、彼は聞き逃さない。
「嫌なんだ。じゃ言わなきゃだよな。"もっとして"って」
「…っ!あ…」
動きは更に鈍くなり、本当に止まってしまいそう。こんなのじゃ…いや。いやだ。もっと…
「聞こえねーよ。やめる?」
「!あっ…いやっ、いやっ」
日頃押しの一手の彼が珍しく引いてくる。
…今から言う言葉はわたしのためじゃない。
わたしを女として求めてくれる彼のためだ。
『やめてもいいよ』なんて嘘に決まってる。
彼はまだ続けたいはず。絶頂を迎えるまで。
狡いのはわかっていた。でも微かに残っていた理性は『彼のせい』にした。
わたしだけ溺れてしまうのは、怖かったから…
「おねが…っ、りゅぅせ…」
彼が体を支える腕にそっと手を添えて。
すがり付くような視線で見上げて。
「…して…、もっと…」
ねだった直後だった。止まりかけていたのが嘘のように、彼はわたしの中を貫いてくれた。
…そう『わたし』が望んだままに。
「ひっ…!あぁんっ!ああぁっ!」
奥に彼の先端が触れてくれる度に
押さえきれない声と本心が溢れる。
…これが欲しかったの。
もっと…きて。もっと…
受け入れたらやってくるもの。
それはどうしようもない快楽。
わたしの体はそれを覚えてしまった。
どんなに抗ってもそれは事実。
甘い声も愛液も止めどなく零れ続ける。
「…いい?未結」
「…いぃっ、いぃ…っ、あうぅっ…!」
だらしなく開いた口で酸素を貪りながら。
体も心も彼を求め、ただひたすら喘いだ。
「…未結、"あれ"言って」
教えたろ、と呟く低い声。
それは彼の持つ独占欲と、征服欲を満たす為の言葉。
もちろん、従った。…ううん。従いたかった。
「未結のなか…に、いっぱい、だして…っ!」
「っ、最高…」
彼はわたしに自分の欲望を吐き出す。
そしてわたしはその全てを受け容れる。
全身を悦びに、打ち震えさせながら。