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LaundryHeavenly.
第14章 Heavenly.14
「…なんだこれ。ひでぇ体」
剥かれた服から現れた傷だらけの肢体。
それを見た男は嘲るように言った。
顔の腫れも殴打によるものだろう
お前は"そちら系"の専売なのかと。
殴り蹴り痛め付けるのを好む男を
選んで客にしている娼婦なのかと。
「お前が痛み好きか?」
「っ…」
頬を打つ平手。
まだ腫れが引かない箇所。
鋭い痛みに表情は歪んだ。
「ならあんなジジイじゃ物足りなかったろ」
「、ぅ…っ」
髪を鷲掴みにされ強制的に上向かされる。
剥き出しになった首筋に舌が這わされた。
生暖かさと気色の悪さに全身が震える。
それが恐怖に変化したのはすぐだった。
「蹴りだけでおっ死ぬようなジジイじゃ」
男は神父様を手にかけていた。
礼拝堂中を逃げ惑う神父様に
追い着いては足蹴にしていく。
それを繰り返しているうちに絶命したと。
血にまみれながら命乞いをするその姿は
最期まで滑稽で笑いが止まらなかったと。
『人殺しすぎて感覚狂ったんだよ』
『純粋に"殺し"を愉しみ始めてる』
『謀略兵』の言葉が甦る。
彼の読みは的確だった。
神父様が男の手にかけられた理由。
ドアを蹴破った先にたまたま居た。
─それだけ。たったそれだけだった。
それだけの理由で神父様は殺された。
それだけの理由で人を殺めることが
この男にはできてしまうのだ。
礼拝堂からこの小部屋までが
どれだけ離れているかわからない。
一つ屋根の下で行われた虐殺行為は
石造りの壁が遮ってくれたお陰でか
何も聞こえなかったし感じなかった。
そのお陰でこうして遭遇し、あまつさえ
拘束されてしまっているのだけれど…
男がこの地この場に姿を現したのも
ブライトさん達が去った後だろう…
「やっぱな。濡れてんじゃん」
重なる時宜の悪さに絶望すら覚えた直後。
男の手が下着の中に滑り込み秘部に触れた。
「…いやっ!」
二本の指が割れ目を強引に拓き
恐らく中指がその中心に触れる。
程なくして男の動きが止まった。
「──てめぇ、生理か」
漂う香りで察したらしい男は
忌々しげな呟きを漏らした。
羞恥心に駆られつつも少なからず安堵する。
更なる絶望に叩き落とされるとも知らずに。
「汚ったねぇ。──ま、手間は省けたか」
男は着衣を緩め反り立つ自身を取り出した。
そしてそれを私の中へ突き立てたのだった。