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LaundryHeavenly.
第14章 Heavenly.14

いつからだったか。

乗っ取りを画策した国が現れ
攻撃を仕掛けてくるようになったのは。

王都周辺は断続的に攻め入れられて
戦況は泥沼化しつつあるというのは
風の噂で聞いていた。

私の暮らす国、エスペシャルクロース。
小さい国で、民もさして多くはなくて
それでもとても過ごしやすく美しい国。

私はこの国で奴隷として産まれ生きた。

貴族である旦那様たちご一家にお仕えし
サラサお嬢様のお世話を仰せ付かった。
それから、6年。…幸せだった。とても。

身の程知らずなのは承知だったけれど
私はお嬢様が可愛くてたまらなかった。
初めてお顔を見た時から愛おしかった。

…でもお嬢様はもういない。

私のお嬢様は殺されたのだ。
王子の快楽を満たすために。

世界の全てだったあのお屋敷ももうない。

私が生きてきた世界。生きてきたあかし。

その全てを壊した張本人がいま
目の前にいて…私を犯している


「おい、レノ」
「!」

髪を鷲掴みにされた痛みで我に帰る。

そのまま床へと振り落とされて
私はまた全身を強か打ちつけた。

伸びてきた長い腕は容赦なく
衝撃と痛みに踞る私の髪を掴む。

引き起こされて座らされた先は
ベッドに腰かける王子の足の間。

眼前には欲を吐き続けたと思えぬほど
勃ち上がった王子そのものがあった。
『それ』は精液と私の血で穢れている。

「しゃぶれ」

頭上から浴びせられる冷淡な命令。
『それ』に強引に顔を寄せられて
半ば無理やり口に含まされる。

「んッ……」

咥内に広がる覚えのある味と固さ。
決して慣れる事などない味と固さ。

眉間を寄せても呻き声を漏らしても
王子は頭を押さえる手の力を緩めず
更に奥深くへと届かせようとする。

苦味。生臭さ。錆びた鉄の味。
それらは全て私に襲いかかる。

「…っ」

『心』は殺した筈。けれど
肉体的な苦しさは騙せない。

思う様に呼吸できない息苦しさに涙は滲み
喉の奥を突かれることで込み上げる吐き気。

「もっと舌使え」

下手くそ。容赦ない暴言の直後
掴まれた頭は前後に動かされた。

『それ』の先端が小刻みに喉奥を突き
不快感と吐き気をより一層増長させる。

そんな最中。

「でもイイな、お前。余計な口聞かなくて」

王子のその呟きは私を覚醒させた。

「あのメスガキも、無駄口さえ叩かなきゃな」
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