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LaundryHeavenly.
第14章 Heavenly.14

それは初めて経験する体勢。
動物が交尾するような体勢。

命令どおり四つん這いになった私を
王子は背後から情け容赦なく貫いた。

交わり自体は、もう何度めだったか。

心を殺し、無になった私は何も感じない。
それが例え初めての体勢だろうとしても。

そう思っていた。そのはずだった。
現実は私の想像を遥かに超えていた。


「──ひ?!ぎゃ…っあああ?!」
「"こっち"は初めてみてぇだな」

王子が押し入ったのは『後ろ』だった。

排泄でしか用のないはずの場所。
異物、まして男を受け入れるなど
想像すらしたこともなかった場所。

「っ!…っ……は…っ」

ぶちぶちと筋が割けていく。
呼吸すらまともにできない。

経血と…私の意思とは関係なく
溢れ出した愛液が混ざったもの

それは秘部から滴り落ちて
後ろの方まで潤わせていた。
そこに新たに加わる出血。

王子はそれらに滑らせつつ
私の中を切り裂いていった。

笑いながら。愉しみながら。

「…あー……やべぇな、お前」
「ひぎっ!」

ズン!と一際大きな衝撃が襲った。
王子は自身の全てを私に埋めたのだ。

尚且つ腰を打ち付けられる。
己の快感を得るためだけに。

「…っ、や、…ぃや…っ…」

無になったはずの私の世界。感覚。
痛み。苦痛。苦悶。屈辱。悲しみ。

それらすべては一気に甦り
容赦なく私に襲いかかった。

嫌だ。嫌だ。気持ち悪い。
逃げたい。やめて。嫌だ。

頭の中にはそれしかない。
だがそれらは叶わない。

──否。叶わなくていい。…いいのだ。
私の中のこの思いを成就させる為には。

「──こんな上モンが居たとはな」

腰の動きを緩めないまま、王子は呟いた。

「んぅ!」

力任せに押され俯せにされた。
枕の柔らかさがに頬に当たる。

王子は私の背中に覆い被さり
耳に歯を立てた。

「殺んには惜しいな」
「あ……ぐぅっ」

叩き付けられる肌。
王子の快楽の為だけの行為は続く。

やがて身体は繋がったまま
王子は私を仰向けにさせた。

「レノ」
「…っ?」
「お前、俺と来い」

低い声での囁き。違う…これは、命令。
心臓が高鳴り呼吸は更に困難になった。

王子は私の体を抱き締め冷酷に告げた。

「飼ってやる」

王子の肩越しには窓が見える。
そして気が付いた。

夜が明けかけていることに。
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