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LaundryHeavenly.
第15章 Heavenly.15
沈黙に包まれる部屋。
ブライトさんもハイジさんも
言葉を探しあぐねているようだった。
解散するまでは私も隊員のひとり。
彼らは私に自分の事を話してくれた。
知っていてほしいことも
隠しておきたいことも。
最後、せめてそこにだけは報いたかった。
呆れられたとしても。失望されたとしても。
その時だった。
私を包んでいたぬくもりが消えた。
「ナノ?」
私の背後にいたはずのナノさんが
いつの間にか寝台から降りていたのだ。
私の目線まで屈んでくれている
ブライトさんの背後…の床の上。
『王子だったもの』の脇に膝をついている。
「…隊長」
怪訝そうに尋ねたブライトさんに応えるように
ナノさんは顔を上げた。
その表情と瞳はまさに『衛生兵士』そのもの。
そして次に彼が発した恐ろしい言葉は
ブライトさん達を瞬時に『兵士』にした。
「…こいつ、まだ息があります」