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LaundryHeavenly.
第3章 Heavenly.3


「──で、レノちゃん。君これからどうするの?」


どうかやすらかに。と
眠る彼らに祈りを捧げ。

45部隊の根拠地─今は私の仮住まいとなっている側の─テントに帰りつき。

就寝時以外は共有しているためハイジさんも中へと入り、共に腰を落ち着けたときだった。
唐突にそんな言葉を投げ掛けられた。


「雇い主も両親も亡くしてさ。どっか行く当てあるの?」
「………」

地面に胡座をかき、自分の髪を指に絡めて遊ばせながら、ハイジさんは続けた。

───答えられなかった。
そんなもの無かったから。

私はあのお屋敷で生まれ、奴隷として育った。
両親以外の身寄りもない。
私の世界はあのお屋敷だけだったのだ。


「ないんだね。言っとくけど僕ら、いつまでもここには居ないよ?」

それはつまり、私もいつまでも
ここには居られないという事だ。

そんなことはわかっている。
彼らは王室軍の人間。いずれは王都に帰還しなければならない。

そうなったら私は独り、どこか新たな奉公先で、
再び従い尽くす日々を送るまでだ。

奴隷としての働き口など、きっと探せばいくらでもあるはず──…でも……

「私は……」

まだ何一つ返していない。

皆の弔い、衣食住、何より心身の安息。
一生をかけても返せないものを与えてくれた彼ら3人に。

ご恩返しをしたい、そう口に出そうとした直前。

「あのさあ」

髪から指を離し、その手で今度は頬杖をついて。
ハイジさんは普段通りの口調で…とんでもないことを口にした。


「レノちゃんって、処女?」
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