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LaundryHeavenly.
第6章 Heavenly.6
此処にいられる。
彼らといられる。
晴れてその許しを得た
私の胸はいっぱいだった。
「ありが…っりがとう…ござい、ま…っ」
礼の言葉も途切れ途切れになってしまう。
止まったはずの涙も、再び溢れ出した。
「…全く」
泣いたり叫んだり忙しいな、と、
ブライトさんは苦笑した。
片手は私の手と重ねたまま。
もう片手は私の頭を撫でて。
「…すみません。……」
──そこで、ふと冷静になった。
『娼婦を味わうのは上の者から』
最初に私を抱くのは目の前の彼だ。
この手は今後、私の体に触れることになる。
大きくて暖かいこの手は、どんな風に触れてくれるのだろうか。
性的な行為は経験がある。
だけど『初めて』のとき。
その後も肌を重ねたとき。
私には苦痛しかなかった。
相手は私の事を、自分の快楽を満たす
便利な道具としか見ていなかったのだ。
──まさに『娼婦』がそれじゃないか。
『娼婦になる』その気持ちだけが先走り、
『娼婦になった』今、抱いていたのは
情けなくも恐れだった。
いくら普段の彼が優しくあれど
寝台の上でもそうとは限らない。
それこそ罵られるかもしれない。
殴られ、蹴られるかもしれない。
「レノ」
──やはり無理か。
ブライトさんはそんな素振りを見せながら、
黙りこくってしまった私の様子を伺うように
顔を寄せた。
いけない。私は何を迷ったんだろう。
私は45部隊の専属娼婦になったのだ。
彼らに受けたご恩を返すため。
どんな彼らでも『従い尽くす』のが
私の新たな使命なのだ。
──そして私の中の『この想い』を成就させるためにも、此処にいたかったのだ。