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LaundryHeavenly.
第10章 Heavenly.10
私の出で立ちは、素肌にシミーズ一枚。
ほぼ裸同然のそれは昨夜と全く同じだ。
「ひ、ぅっ…」
うなじを生暖かい舌が這う。
腰から背中にかけてぞわりとしたものが駆け上がり、身はよじれ小さく声も漏れた。
「――好きだもんね。ここ舐められるの」
「……っ」
耳のそばでの揶揄するような囁き。
彼は私の知らない私の体を知っている。
それはあの日行われた『検分』のせい。
「覚えてるよ。ここも、柔らかくてさ」
「や……ぁっ」
体の後ろから伸びてきた手は胸に触れた。
薄い布地の上から彼の掌の暖かさが伝わり、形を崩すようにふわふわと揉みしだいてくる。
「ここも、きれいな色なんだよね」
条件反射のように、勃ち上がり始めた中央の突起。形を確かめるように指先はそれを撫でた。
布越しで焦らされるような愛撫。…もどかしく感じ始めた頃肩紐がずらされ、シミーズははだけられた。
晒される上半身。灯されたままの蝋燭の炎によってそれは照らし出される。
「やーらしー」
「……」
悪戯な言葉に俯いてしまう。いくら背を向けているとは言え羞恥心がないわけじゃない。…でも私には炎を消すことは許されない。──この寝台での主導権は、『彼』が持っているのだ。
「──たまんない」
「…っ!やぁっ……あ…っ」
短い呟きのあと、無防備だった首筋に彼は再び口付けた。…いや、違う。それはまるで、獣が獲物にありつくような、むしゃぶりつくようなもの。微かな痛みは、歯を立てられたものか…
「あ…やっ、やあぁ…っ」
舌は耳輪まで這い上がり、形を確かめるように沿っていく。ぴちゃぴちゃとわざと音を立てて。
逃げたくても、顎は彼の右手で固定されていて動けない。されるがまま聴覚を犯され、体の奥から痺れるような感覚が沸き起こる。まるでそれがこぼれ落ちるように、口からは止めどなく矯声が漏れた。
「…ほんとに賢い子だね、レノちゃんは」
「……っ?」
ふいに中断する愛撫。なされた低い囁き。振り向くことは叶わないため視線だけを向けた。
そんなことをしても、真後ろにいる彼の表情を伺い知ることはできないのだけれど。
「…男の煽り方、上手だよ」
そう言うと彼は、喉を鳴らして笑った。