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LaundryHeavenly.
第10章 Heavenly.10
私は丈夫なことだけが取り柄だと思っていた。
…が、それに勝る『適応力』があったようだ。
私はこの痛みを受け入れた。…それは骨の髄まで染み付いた、従い尽くすという意志が成せたことなのか。それとも──…
「ぁ……っ!」
侵入した指が中で円を描くように動くにつれ、そこが熱を持ち、だんだんと柔らかくなってくるのが分かる。呼吸もあがっていく。
「――今朝ね、ブライトに会ったんだけど」
「――ひぅっ!」
突然出されたその名に反応するより早く。指が二本に増えた。一本めと違い、多少滑らかさを持ち始めていた秘部はそれを飲み込む。
それでもそこはまだ拓きかけ。内臓が押し上げられるような圧迫感を感じずにはいられなかった。
「見たことない顔してた」
「…?……ぅ…」
私に言っているのか、独りごちているのか。
口調だけではわからない。指の動きに翻弄されそうになるのを堪えながら、声に耳を傾けた。
「憑き物が落ちたみたいなさ。…15年からの付き合いだけど、あんな顔初めて見たよ」
「……そんなに長く…」
彼がとる『部隊長』への態度。敬語すら使わずあまつさえ対等に接する、その理由がわかった。昔から…それこそお互いに子供だった頃からの馴染みだったのだ。ならば身分の差が麻痺してしまうのも、仕方ないことかもしれない。納得がいった。
「彼のお父さん…神父さんだったんだけど。僕も世話になったから、その流れでね。…うわ、すご」
「!あ…っ…」
話している最中も彼は止まらない。無意識の締め付けを掻い潜るように、指は私の内壁を擦りながら出入りを繰り返す動きに変化した。
「彼はお姉ちゃん5人の後やっと産まれた長男様でさ。特別優秀な訳でもないのに一族中から期待されて。可哀想だった」
「……」
「辛いはずなんだよ。応える為にいつも自分律して本心殺してさ。だから、今朝は驚いたの」
ゆっくりと、指が抜かれる。
私は声を出さず、ただ身動いだ。
「ま、単に出すもん出したからってのもあるだろーけどね。でも今までの玄人さん相手の時にはなかったんだ。…だから特別な何かが、君との夜にはあったんだなって」
「……」
彼は何が嘘で、何が本当かわからない。
「さっき痛くしてごめんね、ちょっと妬いた」
口調も砕けているけど、今は…違う。
「…ハイジさん」
今の彼は真摯に友を想う、一人の男だった。