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LaundryHeavenly.
第12章 Heavenly.12
「あの子、お姉ちゃんとデキてたの」
まずはナノの話ね、と前置きしハイジさんは語り始めた。スイッチが入った状態の彼に会ったのならもうわかっていると思うけれど、と。
確かにそこまで大きな衝撃はなかった。
次の言葉までは。
「でもお姉ちゃんは、お兄ちゃんと寝てた」
「…!?」
「それだけじゃなく、お父さんとも寝てた」
ナノさんのお父様は軍医の最高位である総監
8歳上のお兄様も、若くして名声を得た軍医。
…そんな方々が娘や姉妹と?
…何を言われたかわからなかった。
「早い話がお姉ちゃんは父と兄の慰みものになってたのさ。お姉ちゃんは総監と愛人の娘。愛人の病死を機に総監が引き取った。彼女僕と同い年なんだけど、10…11歳くらいだったのかなー?当時は」
ひどい話だよねとハイジさんは眉をひそめる。
両手を頭の後ろで組み、ため息をついた彼は
思い出す様に目を閉じながら話続けてくれた。
「…それから十年以上弄ばれて。辛かっただろうね。お姉ちゃんは弟に"救い"を求めたんだよ。ナノは本妻との子とはいえぶっちゃけ予想外に出来ちゃった次男で、父も兄もまったく関心なかったのさ。母親も早くに亡くしてるから唯一優しくしてくれたお姉ちゃんに身も心も溺れちゃった」
「……」
「ナノはね、大好きなお姉ちゃんが父と兄に何されてるか知らなかったんだよ、ずっと。──でも、ある日遂に」
ハイジさんはそこで目を見開いた。
「見ちゃったんだよね」