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LaundryHeavenly.
第12章 Heavenly.12
目の前が真っ暗になった。彼の発言は
死刑宣告以外の何者でもなかったから。
私がここにいられる理由『専属娼婦』
それは言う迄もなく部隊あってのもの。
部隊自体がなくなる…つまり
私の居場所もなくなるのだ。
詳しく教えてください。私は初めて
自分から詳細をねだった。
「他部隊に統合されることになったのさ。ブライトも隊長職から降格」
「降格…?!」
45部隊は元々10人編成の部隊だった
そこから逃亡者を1人、重傷者を2人
そして…4人の死者を出し、今に至る。
ハイジさんは言った。それが決め手だと。
「それまでどんなに国のために尽くしても、上の人には関係ないもん。結果が全てさ。…我らがブライトさんは統率力がない、つまり部隊長の器じゃないって判断されたんだよ」
上層部は勝手だとハイジさんは憤っていた。
彼はナノさんにも言及する。
「ナノももう使い物にならないし。あそこまで病まれたら実戦はまず無理。そーゆー奴は切り捨てるのさ。こっちが危ないからね。それでも彼らは何らかの役職には就けるんだよ。僕とは違うから」
「……」
『僕とは違う』その言葉に
忘れかけていたものが甦る。
ハイジさんは平民。彼らは聖職者と貴族。
昔からの馴染みでも部下だったとしても
生まれ落ちた身分は誰にも変えられない。
有事に一番弱い立場なのは常に彼なのだ。
「まーそれは追々話すね。…さて、最後はいよいよ僕の話だね。……ねーレノちゃん、不思議に思わなかった?何で僕がこんなにいろいろ知ってるのかって」
「え…」
…確かにそうだ。今更気がついた。
だが彼は謀略兵。私が知る由もない人脈や
情報源が存在するんだろう、そう予想した。
結果として、それは間違いではなかった。
だが真実は、私の想像以上に残酷だった。
「こんなボコボコになるまでうちの人たちのために尽くしてくれたんだもん。レノちゃんには敬意を払わないとね。…僕さー、女衒やってたって言ったじゃん?女の子を娼館に売り飛ばす極悪人って」
ハイジさんは何が嘘で何が本当かわからない
怖い人。殺されかけた事だって忘れていない。
だけど今の彼は今までの彼じゃない。
真実だけを話そうとしてくれている。
残酷で悲しくて、できることなら
触れたくないだろう『本当のこと』
「その前はさ、娼夫だったんだよね」