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猫彼女。
第2章 cat.2
「あっくん、…しあわせだね、私」


事の後。

ウェットティッシュでえりさの体を払拭し、脱がせた寝巻きを元通りに着せて。
仰向けに横たわらせた体に、ブランケットを掛けた時だった。
ぽつりと、そんな呟きが聞こえた。

「ん?なに?」

聞き返した今の俺はというと。
えりさに背を向けてマットレスの縁に座り、お役御免となったゴムを外す作業の真っ最中。

自身が吐き出した液体(これがまた結構な量)が漏れ出さぬよう根元をキツく縛り、えりさの体を拭いたティッシュに丸め込んだ。

ちなみにゴムはバイト上がりに買った。
職場で手に入る辺りはコンビニ様々だ。

レジ打ってくれた奴には「リア充滅びろ」なんて悪態を吐かれたけど。気にしない。
売り上げに貢献してんだから感謝しろよ。

…って、そんなこと今はどうでもいい。
意識と視線を速攻でえりさに戻す。

「その……最後…」
「最後?」
「……いつも、一緒に…いけるじゃない」

たどたどしくそう言うと、えりさはブランケットに頭のてっぺんまで潜り込んでしまった。
きっと、自分の言葉で恥ずかしくなって
赤くなった顔を見られたくないんだな。

「…だね。俺も、幸せだよ」

こんなにかわいくて、気立てもよくて、
体の相性もいい、彼女がいるんだから。
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