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猫彼女。
第2章 cat.2
「…それに。こうやって、彼が全部してくれるしね」

ブランケットの上から頭を撫でていると
えりさが目の位置まで覗かせてそう言った。
汗や汚れを全部拭いてくれて、服を着せて、
寝具も整えてくれて、と。

えりさ曰く、職場の休憩中や女子会の場などで
各々の旦那や彼氏に対する愚痴を聞かされるのだが
やれ『優しいのはする前だけ』だの
やれ『終わればさっさと寝てしまう』だの。
"致した後"の不満が多いようなのだ。

うん、ごめん。それが大抵の男です。
実際俺も、元カノ達にはそうだった。

ここまでするのは『えりさ』だからだよ。

俺はえりさが大好きだから
えりさが喜ぶことをしたいって思えるし
行動にも移せるんだよ。

「私、皆にあっくんのこと話せないんだ」

事実しか言ってないんだけど、それが自慢話と取られたことがあって。とえりさは困ったように笑った。


なんで?言えばいいじゃん。
『私は特別なんだよ』って。

恥ずかしいから、俺からは求めないけど。



「あ…そうだえりさ、朝め…しひゃっ?!」

ふいに足に感じた違和感と重み。
直後、まだ剥き出しだった自分自身を掠めた、
生暖かい毛の感触。
萎えているとは言え、果てて間もないそこは今
超敏感。ぞわわっと鳥肌が立ち、変な声が出た。

「りおちゃん。おはよう、起きたの?」
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