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猫彼女。
第3章 cat.3
AVで、『彼女に突然チ○コが生えた!』
ってのは見たことあるけど
『彼女に突然猫耳と尻尾が生えた!』
ってのは見たことがない(俺が知らないだけか)。
どっちにしろAVはファンタジー。
あんなの作り物。
しかし今俺の目の前にあるのは、
紛れもない現実。
床にぺたんと座り込み泣きじゃくるえりさを
情けないかな、俺はしばらく呆然と見下ろすしかなかった。
彼女の頭には、猫耳。
一枚羽織っただけのTシャツの裾から伸びるのは、尻尾。
それ以外は特に目立った変化はなさそうだ。
特別体毛が濃くなったとかも無さそうだし、
見た感じヒゲも生えてない。
…何でこんなことになったんだ?
その答えを一番知りたいのは、きっとえりさだ。
えりさは不安と混乱のど真ん中にいる。
俺まで取り乱すわけにはいかない。
気持ちを奮い立たせ、えりさに「おいで」と声をかけて引き寄せた。
嗚咽を漏らすえりさを抱き締め、何度も何度も頭を撫でる。
鼻を擽るのは、いつもの香り。
ほら、えりさであることに変わりはないじゃないか。
まずは俺が少しずつ、落ち着きを取り戻していった。