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猫彼女。
第3章 cat.3
どれくらい、そうしていたんだろう。
「もう…大丈夫……ありがとう…」
えりさがゆっくりと体を離した。
涙も、…鼻水も止まってる。
そんな彼女を見て、ほっと息をついた。
少しは落ち着いてくれたみたいだな。
「…あっくん……あの……その……」
──と思った矢先、 また緊張が走った。
えりさの様子がおかしい。
呼吸が荒い。体が火照って、目もトロンとしてる。
膝を擦り合わせ、煩わしそうに身をよじってる。
…まさかどこか具合でも悪い?
この場合って何科に行けばいいんだ?
取り戻した落ち着きなんか
あっさり吹っ飛んだ。
パニックに陥り始めた俺に
えりさがかけた言葉は
俺の思考を停止させるのには、
充分すぎるものだった。
「あっくん……。えっち、しよ…?」