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猫彼女。
第4章 cat.4

「……意地悪しないで……っ」

えりさは右腕で顔を覆い、半泣きになって訴えてきた。
左手はシャツの裾を握りしめ、羞恥心にうち震えてるよう。

正直、ちょっと拍子抜け。
猫化した挙げ句発情期に入って、自分から求めてくるくらいだったから
促してやったら、もっと素直に、大胆になるかと思ったんだ。

でもまだえりさには理性が残ってた。
元来の真面目さっていうか、えりさらしい頑なさが。


意地悪。確かに今の彼女にとったら
俺の態度はそう映るかもしれないね。
本当はどうされたいかなんて、言われなくても解ってるんだから。


それでもさ、見たいんだよ。
俺を求めて乱れる君の姿が。

…狡いかな。


「えりさ」

あぁ、そういうのはもう。後にしよう。
頭の片隅に浮かびかけた
罪悪感のようなものは、握り潰した。

彼女の名を呼び掛け、顔の半分を覆い隠してしまっているその腕にキスを落とした。

「顔見せて」

そのままゆっくりと腕を解いていく。
現れたのは見慣れた見飽きない可愛い顔。
今は涙と熱で潤みまくってる。

「あっくん……っ」
「………」

半開きの唇が俺を呼んだ。
それはいつもとは違い瑞々しく潤って
胸の突起と同じくらいやらしいピンク。

…何だこれ。やばいだろ。

気づいたら吸い寄せられるように
口付けていた。
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