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猫彼女。
第1章 cat.1
「…えりさ、キスしよ」
「…え?…あ…」
ほぼ同じ身長の俺ら。向かい合って
少し顔を傾ければ、唇が重なり合う。
薄めなのに柔らかい、えりさの唇。
一日頑張ったんだよな。少しかさついてる。
そこがまた、かわいい。
アルコール消毒薬のにおいに混ざって
鼻をくすぐるのは、えりさの甘い香り。
それも反則だよ。
「っ…ん、ふ……」
舌先を尖らせ、少し強引にえりさの唇を抉じ開けてやる。
伝わってくるのは、甘い味。
何度も味わってるからわかる。
えりさの味。
これだけで、俺の体の中心は熱くなって
固くなってくるんだよね。
唾液で濡らした舌で、小さな舌を絡め取ろうとした時だった。
「…っ──だめ!だめだよ、あっくん…!」
えりさが顔を強引に背け、俺の体を押し返したのだ。
そのまま早足で、台所の方に逃げていってしまう。
「ご飯、作るんだから…っ」
えりさは嗜めるように言うと、置かれたままになっていた買い物袋から食材を取り出し始めた。
その後ろ姿をぼんやりと眺める。
目線はまず、後頭部の低い位置できちんと纏められたえりさの髪へ。
暗めのピンクブラウンに染められて、長さは肩甲骨の少し上くらいまで。
艶々で、手入れも行き届いている。
そこから徐々に下って、真っ白な首筋へ。
そこから更に、ピンクのニットに包まれた細っそい肩と
肉体労働してるのが信じられない華奢な上半身。
やがて行き着いたのは、黒のジーンズに閉じ込められた形のいい尻。
───ダメだ。止まらない。