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メンズミーティング
第4章 はじめまして。

彼女…未結ちゃん。は、まあよく働いた。台所は見違えるほどきれいになったし、あちこちに溜まっていた埃も無くなった。ベランダには干された洗濯物がはためいている。

この部屋の間取りは先述の通り1DK+ロフト。
副業の帳簿やらなんやらの確認のため、ノートパソコンに向かってんだけど…画面より彼女に目が行ってしまう。
何だろう、小動物がちょこちょこ動いているように見えてならない。面白いんだろうな。

「……、…」

たまに視線が合うと、にっこりと笑顔が返される。わざと?いや違う。あれはきっと素。

…無防備過ぎじゃない?すぐ確信できた。この子は男の部屋に一人で来ていい子じゃない。襲われちゃうよ?…あぁ駄目だ進まねぇな。数字間違えそう。

「…すみませんちょっと仕事するので」

外出てもいいんだけど『万が一』があるかもしれない。とりあえず、彼女を視界から消そう。
あとは宜しくお願いします。そう言い残しノートPC抱えてロフトへ続く梯子を登った。

────────

さて、そんなこんなで13時を回った頃。
ようやく作業が一段落した。一息ついたところで良い香りが漂っていることに気づく。…この匂いはまさか。

「あの……」
「!」

梯子を上ってきた彼女がおずおずと顔を出した。…油断してたから膝に乗せてたPC落とすところだったよ。
なんか変だ。この子を部屋に上げてから自分がおかしい。勤めて冷静を装い返事をした。

「…何ですか?」
「お仕事中ごめんなさい。お昼ごはんできましたので…召し上がってください」


お口に合えばいいんですけど、と促された先には。ローテーブルの上に並べられたサラダと…カレーライス。匂いの正体は思った通りこれだったんだ。

絵に描いたような、きれいな盛り付け。腹が鳴る。気付いた時には床に正座して合掌してた。

「…いただきます」
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