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メンズミーティング
第4章 はじめまして。

「…おいしい」

無意識に呟いてた。
嘘でもお世辞でもない。

素材不明の紫色のシチューやピンク色の味噌汁。ハッキリ言って生ゴミレベルのもんばかり食わされてきて、もはや味覚がイカれてるだろう俺でも、彼女が作ったカレーは死ぬほどうまかった。
特別なものは何も入っていない、ごくごくシンプルなカレー。それも絶妙な甘さ。スプーンを口に運ぶ手が止まらない。

「よかった…!どうぞおかわりして下さいね!…わたしもご一緒していいですか?」

もちろん快諾。にこりと微笑んだ彼女は俺の向かいに腰を下ろした。手元には小さなピンク色の布包み。結び目が解かれた中からは、大きめのおにぎりがふたつ出てきた。

「いただきまーす!」

そのうちのひとつを両手で持ち、元気よく宣言した彼女は、もりもりと食べ始めた。…可愛い顔に似合わず、豪快。て言うかカレー食えばいいのに。

「ごはんって、誰かと一緒に食べるともっと美味しいですよね!」
「!」

俺やっぱりあの時死んでたのかもしれない。
目の前にいたのは、紛れもなく天使だった。見たことないけど。

「あの…ごめんなさい、今更なんですけど……お名前、教えて下さい」

おずおずと申し出た彼女。ああ、こっちはまだ名乗ってなかったっけ。非礼を詫びた。

「村上麗、です…」
「麗さまですね!改めまして、よろしくお願いします!」

そう言って未結ちゃんはにっこりと微笑んだ。

…ちょっと待ってなんだこの子
かわいい。かわいい。かわいい。

どうしよう。好きになっちゃったよ。
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