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メンズミーティング
第12章 hey my friend. 3. 2:05am
でも、何故だろう。冷静になって振り返る。
何であたし、ネタばらししてんの?
今までのクズ男らと同様、あたしからこの男に誘いかけて、未結から離せばいいのに。
ただ単に、未結を外の車内に一人で置いてきたから心配で…ってだけじゃない。
それ以上のもの──ああ、わかった。
『未結がこの男を好き』だってことを
あたしが思い知らされちゃったからだ。
未結があたしを見るときと、この男を見るときの表情。全然違った。
恋をしてる女の子のものだった。
この男のこと、本当に好きなんだね……
今までのクズ男たちと同じことしたら、間違いなくあたしは未結を傷つけ、嫌われ、最悪未結を失ってしまう。
二人の間にあたしが入り込む余地なんてない。でも張り合いたかったんだ。
あたしのだったのに。
あたしだけの未結だったのに。
──ああ、なんであたしは男じゃないの。
未結のこと、誰よりも大切にして
幸せにしてあげられるはずなのに。
未結のこと、こんなに好きなのに。
──────────
「ふーん」
感情のこもらない冷たい声が耳に突き刺さる。そこで我に帰った。
いつの間にか、男の雰囲気が変わっていた。
射貫くような鋭い眼差しが、あたしを見つめている。不覚にも、ぞくりとした寒気を感じてしまった。
「何か、する気ですか?大声出しますよ?」
「どうぞ?ここまでの会話録音してるから」
…!信じらんない。
睨み付けた先。男の手の中にはICレコーダーがあった。どうやらボトムスの後ろポケットに仕込んでいたらしい。