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メンズミーティング
第14章 彼女から見た彼女。2
あたしがそのL1NEを送ると
彼は速攻で時間を作ってくれた。
思えばこんな風にきちんと向かい合って話すのなんて、いつぶりだろう。相変わらずの整った顔をぼんやりと見つめた。
どういうことなのか。
淡々とした口調で問いかけられる。
彼のこういう、いつでも冷静で理性的なところ。大好きだったな。
でもそれも、今日で最後だ。
精神的にも距離ができたおかげで
あたしも少し冷静になれた。
そして気づけた。
彼はあたしを満たしてはくれない。
いつでも彼は自分のために生きている。
今日だって、自分に関わることだから
すぐ動いたのだ。
──『あたしのため』じゃ、ない。
「妊娠したの。彼と結婚するから」
あたしばかり夢中になるのは
もう疲れた。
彼はとても優しいけれど、
同時にとても冷酷なのだ。
──もう、おしまいにしよう。
「さよなら、麗くん」