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第9章 悪い癖
◇◇◇

すみれがやって来て1週間が過ぎた。

絢音はすみれの世話に慣れてきた。
辰と2人で昼食を食べた後で、すみれを抱っこして窓際に行った。

「すみれちゃん、ほら、今日はあったかいよ」

日差しが当たると、すみれは眩しそうに目を細めた。

辰は昼を食べてタバコを吹かしていたが、絢音を見て言おうか言うまいか、迷っていた。
というのも、すみれの事でヤスに電報を打ち、いい話がないか当たってくれと頼んでいたのだが、その返事を今朝受け取った。
ヤスからは『いい候補が見つかった、貿易商、資産あり、養父候補の歳はお前さんと同じだ、話に乗るなら連絡をくれ』という内容だ。
辰はこの1週間、絢音が献身的にすみれの世話を焼き、とても可愛がっているのを目の当たりにしてきた。
里親候補が現れた事を伝えたらショックを受けるのではないかと、不安に思ってなかなか切り出せずにいた。







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