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第10章 クズの半生反省
「で、まぁ~、金を受け取っといてなんだが……、やっぱりよ、言っといた方がいいだろう、お前……、こんな可愛い娘がいるのに、まさかまた新しい女に手ぇ出したりしてねぇだろうな、あのよ~、そう都合よくいい里親は見つからねぇぞ、せめてガキを作らねぇようにしろ、じゃねぇとキリねぇわ」

ヤスはひとこと前置きをした後で、呆れた顔をして辰に注意を促した。

「ああ、そこは気をつけてる、俺はな、女はやめた、すみれは百合子に似た可愛らしいガキだった、だからよ、すみれはあれで良かったが、自分を戒める為に女を断った」

辰はすみれがいた時は、ひとことも可愛いなどとは言わなかったが、本心じゃそう思っていた。

絢音はそれを聞いて百合子の顔を思い浮かべ、安堵感に包まれた。


2人は暫く喋っていたが、絢音が思ったように近くの酒場に飲みに行くと言い出し、2人して部屋を出て行った。
辰は念の為サラシにドスを差し込み、部屋を出る前に『ひとりで出歩くな』と、絢音に向かって釘を刺した。

絢音はひとりぼっちになり、ひとまず晩御飯を食べた。
それからまた窓際に座っていた。
言われなくとも、外に出るつもりはなかったが、2人が出て行って退屈な時間を過ごしていると、1時間ほど経った時にドアを叩く音がした。

夜に人が来る事は滅多にないが、たまに宿の関係者がやってくる事がある。
絢音はちょっと不審に思いながらドアを開けた。

「絢音……、絢音だな?」

乞食のような身なりをした男が前屈みになり、顔だけ上げて絢音を見て言った。

「だ、誰……」

痩せこけた乞食に知り合いはいない。
絢音は怖くなって後ずさりした。






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