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縁
第11章 悲しい性
しかし、いざ来てみれば、売春宿にいると思われた絢音は、どの宿にも居なかった。
ようやく得た情報で、ここを仕切るヤクザの家にいる事がわかったが、父親は辰に囲われていると思い込んでいる。
辰は憤慨して否定したが、父親は信じなかった。
絢音はとっくに手をつけられている。
そうでなければ、ヤクザが何もせずに子供を置くわけがない。
そう信じて疑わなかった。
絢音に取り入ろうと思い、会いに行く時は酒を飲まずに行くが、それ以外はやっぱり酒を飲んでいた。
働かずに遊んでいるのだから、辰に貰った金も残り少なくなってくる。
父親は町に一件だけある金貸しのところへ行き、自分は絢音の父親だと明かした。
金貸しは辰と絢音の事を知らない。
何の事やらさっぱりだと言って相手にしなかったが、ご丁寧な事に……父親は金貸しに事情を説明した。
内容は今までの経緯だが、自分に都合の悪いことは無しにして、持病があると嘘をつき、さも苦労してきたかのように作り話を並べ立てた。
金貸しは父親の話を黙って聞き、辰と絢音の事を知って驚いた顔をしたが、父親はここぞとばかりに金を貸すように言った。
だが、金貸しはフラリとやって来た男の話を鵜呑みにする程、お人好しではない。
ようやく得た情報で、ここを仕切るヤクザの家にいる事がわかったが、父親は辰に囲われていると思い込んでいる。
辰は憤慨して否定したが、父親は信じなかった。
絢音はとっくに手をつけられている。
そうでなければ、ヤクザが何もせずに子供を置くわけがない。
そう信じて疑わなかった。
絢音に取り入ろうと思い、会いに行く時は酒を飲まずに行くが、それ以外はやっぱり酒を飲んでいた。
働かずに遊んでいるのだから、辰に貰った金も残り少なくなってくる。
父親は町に一件だけある金貸しのところへ行き、自分は絢音の父親だと明かした。
金貸しは辰と絢音の事を知らない。
何の事やらさっぱりだと言って相手にしなかったが、ご丁寧な事に……父親は金貸しに事情を説明した。
内容は今までの経緯だが、自分に都合の悪いことは無しにして、持病があると嘘をつき、さも苦労してきたかのように作り話を並べ立てた。
金貸しは父親の話を黙って聞き、辰と絢音の事を知って驚いた顔をしたが、父親はここぞとばかりに金を貸すように言った。
だが、金貸しはフラリとやって来た男の話を鵜呑みにする程、お人好しではない。