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縁
第12章 成れの果て
─────
辰は父親が訪ねて来やしないかと、密かに待ち侘びた。
一方絢音はというと……相変わらず弁当を作り、玄関の外に置いていた。
だが、無銭飲食の件があって一週間経ったこの日、父親は弁当を取りに来なかった。
絢音は衰弱して死んだんじゃないかと思い、不安に駆られてきた。
外に出て辺りを見てみたいが、辰から外には出るなと言われている。
だけど……やっぱり確かめたい。
意を決して、探してみる事にした。
急いで身なりを整え、玄関に向かったら……ドアが開いた。
「辰さん……」
辰が帰ってきた。
「絢音、お前……外に出るつもりだったのか?」
辰は絢音の雰囲気から、出かけようとしていた事を感じ取った。
「あ、あの……」
絢音は言葉に詰まり、困った顔で辰を見た。
「この弁当箱は……なんだ?」
辰はドアの前に置かれた弁当箱を拾い、大方の事情を察していたが、一応聞いてみた。
「それは……」
辰は父親が訪ねて来やしないかと、密かに待ち侘びた。
一方絢音はというと……相変わらず弁当を作り、玄関の外に置いていた。
だが、無銭飲食の件があって一週間経ったこの日、父親は弁当を取りに来なかった。
絢音は衰弱して死んだんじゃないかと思い、不安に駆られてきた。
外に出て辺りを見てみたいが、辰から外には出るなと言われている。
だけど……やっぱり確かめたい。
意を決して、探してみる事にした。
急いで身なりを整え、玄関に向かったら……ドアが開いた。
「辰さん……」
辰が帰ってきた。
「絢音、お前……外に出るつもりだったのか?」
辰は絢音の雰囲気から、出かけようとしていた事を感じ取った。
「あ、あの……」
絢音は言葉に詰まり、困った顔で辰を見た。
「この弁当箱は……なんだ?」
辰はドアの前に置かれた弁当箱を拾い、大方の事情を察していたが、一応聞いてみた。
「それは……」