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第13章 クズの決意
◇◇◇

父親は、町から少し離れた場所に埋葬された。
そこは山中ではあるが、大小様々な墓石が集まる墓地になっている。


絢音は父親が亡くなった後も、やるべき事を淡々とこなしていたが、あまり笑わなくなり、ひとりでぼんやり過ごす事が増えた。

辰は心配していたが、ヤスも心配していた。

「なあ辰、俺はもうじき街へ帰る、その前に……」

狭いアパートの部屋で真昼間から燻る2人だったが、ヤスは窓際に座る絢音を見た後で、なにか言いたげに辰に目配せする。

「ああ、そうだな……」

辰も考えてはいる。
どうすれば絢音を元気づけられるかを……。
しかし、なかなかいい案は浮かんで来ない。

温泉場の娯楽と言えば、飲み屋に売春屋、博打場、湯女付きの温泉……ろくでもない物ばかりだ。
唯一見世物小屋があるが、胡散臭い河童の干物に龍の髭ときた。
辰はそれらが偽物だと知っている。

「こんな山ん中じゃ、厳しいな~」







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