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第13章 クズの決意
ヤスは街ならこんなに悩まなくて済むと思ったが、それを言っても仕方がない。

「海に連れてってやるって言っても、こっからじゃ行くだけで相当時間がかかる」

辰は海の近くで育った。
絢音に海を見せてやりたかったが、それもそう簡単にはいかない。

「うーん……、じゃアレだ、お前がなにかしてやれ」

ヤスは辰に提案した。

「なにかって……なんだよ」

「例えば……料理とか」

「はあ~?俺が?」

辰に料理なんか出来るわけがない。

「お前な、あんな長いドスを上手い事扱えるんだ、魚や肉をさばく位どうってことねぇだろ」

ヤスは辰が見事なドスさばきで、薮川組の連中を蹴散らしたのを目の当たりにした。
あの手さばきなら、料理も当然いけると思った。

「なに言ってるんだ、喧嘩と料理は全然違う」

「違わねぇ、逆手に持ったりしてよ~、まるで自分の手のように動かして立ち回ってたじゃねぇか、絶対できる」

「あのな~、野菜切るのとはわけが違うんだぞ」

2人が言い争っていると、絢音がそれを見て笑った。

「ぷっ……」

「あっ、ははっ……」








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