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第13章 クズの決意
ヤスが先に気づいて笑顔を見せた。

「あの……、私は大丈夫なので、ただ少し……静かに考えたいだけ」

絢音は2人に向かって言ったが、ひとりで過ごす間に、今までに起きた出来事を色々と思い返していた。
家に居た当時、父親は時には手をあげて自分を苦しめた。
その時の父親はとても大きく見えたし、怖い存在だった。
ところが、ここで会った父親は惨めで弱い存在になっていた。
通り雨のように突然やって来て、呆気なく逝ってしまった。
あの人の人生は、もしかしたら……あれでよかったのかもしれないが、じゃあ……自分のしてきた苦労は一体なんだったのか……。
気が抜けたような気持ちになっていた。

「静かにか……、ま、掃除や洗濯ならお前でも出来るだろ、たまには手伝ってやれ」

ヤスはどのみち遊びに行くのは無理だと思い、だったら出来る事を……と思って辰に言った。

「あ、そんな……いいです、私やりますから」

絢音は慌てて訴えた。

「ああ、それもありか……、絢音、たまには俺がやってやる、ゆっくり休んでな」

しかし、辰はやる気になっている。

「辰さん、いいです、そんな事して貰ったら悪いし」








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