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第13章 クズの決意

「ほお～、そりゃまた、いい事だな、じゃまぁー、頑張ってそれを維持するこった」

ヤスは半信半疑だったが、一応信じた。

「ああ、とにかく……親父に宜しく言っといてくれ」

辰は何気なく駅舎内の時計を見て、あまり時間がない事に気づき、親分への言伝を頼んだ。

「わかった、じゃあ、おふたりさん、ぼちぼち行くわ」

ヤスは2人に言って、切符を手に改札へ向かった。

「怪我しねぇように気をつけろよ」

辰がヤスの背中に向かって声をかけると、ヤスは片手を上げて答え、絢音はヤスに向かって深々と頭を下げた。

2人は黙ってヤスを見送った。
ヤスは改札を通過して右方向へ歩いて行ったが、建物に阻まれてすぐに姿が見えなくなり、辰は絢音を促して歩き出した。


駅舎を出たら、2人で田舎道を歩く。
大暑を過ぎてはいるが、まだ日差しは強い。