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第7章 少年
◇◇◇

その時、不意にのしかかる重みが消え、怒鳴り声と同時に少年の上に大きな陰が重なった。

「てめぇ!なにやらかしてんだよ!」

辰だったが、辰は少年の腕を掴んで絢音から引き離し、平手で思い切り顔を叩いた。

「ぐっ……!」

少年は畳の上に倒れ込み、怯えた目をして辰を見上げた。

辰は少年を連れ込んだ後、温泉宿の主人に呼ばれて外出していた。
湯女と客の間で起きた喧嘩だったが、刃物沙汰になってしまい、主人は慌てて辰に助けを求めにきたのだ。
辰は喧嘩をとめ、当人達に話をつけさせたが、長引いて帰りが遅くなってしまった。
ようやく部屋へ戻ってみれば……少年が絢音にのしかかっている。

辰はそれを見た瞬間、激しい憤りを覚えた。
少年の首を掴んで引きずり起こし、大きな手で細い首を締め上げる。

「おい、俺のもんに手ぇ出して、ただで済むと思うのか?あぁ"?こらぁ」

「う、ぐっ、あ、あの子が……誘ったんだ、僕じゃない」

少年は顔を歪めて呻き声を漏らしたが、嘘をついて逃れようとした。
だが、それは尚更辰の怒りを買ってしまった。

「嘘つくんじゃねぇ、っの糞ガキがっ!」







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