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第7章 少年
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少年が居なくなった後、絢音は服をちゃんと着直して窓際に座ったが、喋る気力がなく、黙って窓の外を眺めていた。
部屋は静まり返っている。

辰は部屋の電気を消して絢音の傍へ歩いて行くと、足を崩して座った。

時刻は深夜2時を回っている。
少々眠気が差してきたが、絢音の事が心配だった。

「体は……無事か?」

「うん……」

絢音が頷くのを見て安心した。

「そうか……、じゃ、もう寝るぞ」

「あの……」

しかし、絢音は少年に襲われた事が刺激となり、抑え込んだ想いが急激に膨らんでいた。

「なんだ?」

「私……」

「どうした?」

「辰さんに……」

「ん?なんなんだ」

それは心の中で密かに育んできた、確かな想いだったが……。
子供扱いされて笑い飛ばされるかもしれない。
そう思ったら、なかなか口に出せなかった。

「おい、はっきり言わなきゃ分からねぇだろ、まさかあのガキになにかされたのか?だとしたら正直に話せ」

辰はやっぱりなにかあったのかと思って不安に駆られた。
険しい顔をして絢音の顔を覗き込んだら、絢音は追い詰められたような気分になった。

「違う……、その、抱いて……欲しい」

勇気を振り絞って、遂に想いを口にした。

「えっ……」

辰は不意の告白に驚き、目を見開いた。
絢音をそういう目で見ていなかったからだ。

「なにを言うかと思や……、あのな、冗談はやめにして、おとなしく寝ろ」

びっくりしてかなり動揺していたが、なんでもないふりをして寝るように促す。






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