この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
縁
第7章 少年
─────
少年が居なくなった後、絢音は服をちゃんと着直して窓際に座ったが、喋る気力がなく、黙って窓の外を眺めていた。
部屋は静まり返っている。
辰は部屋の電気を消して絢音の傍へ歩いて行くと、足を崩して座った。
時刻は深夜2時を回っている。
少々眠気が差してきたが、絢音の事が心配だった。
「体は……無事か?」
「うん……」
絢音が頷くのを見て安心した。
「そうか……、じゃ、もう寝るぞ」
「あの……」
しかし、絢音は少年に襲われた事が刺激となり、抑え込んだ想いが急激に膨らんでいた。
「なんだ?」
「私……」
「どうした?」
「辰さんに……」
「ん?なんなんだ」
それは心の中で密かに育んできた、確かな想いだったが……。
子供扱いされて笑い飛ばされるかもしれない。
そう思ったら、なかなか口に出せなかった。
「おい、はっきり言わなきゃ分からねぇだろ、まさかあのガキになにかされたのか?だとしたら正直に話せ」
辰はやっぱりなにかあったのかと思って不安に駆られた。
険しい顔をして絢音の顔を覗き込んだら、絢音は追い詰められたような気分になった。
「違う……、その、抱いて……欲しい」
勇気を振り絞って、遂に想いを口にした。
「えっ……」
辰は不意の告白に驚き、目を見開いた。
絢音をそういう目で見ていなかったからだ。
「なにを言うかと思や……、あのな、冗談はやめにして、おとなしく寝ろ」
びっくりしてかなり動揺していたが、なんでもないふりをして寝るように促す。
少年が居なくなった後、絢音は服をちゃんと着直して窓際に座ったが、喋る気力がなく、黙って窓の外を眺めていた。
部屋は静まり返っている。
辰は部屋の電気を消して絢音の傍へ歩いて行くと、足を崩して座った。
時刻は深夜2時を回っている。
少々眠気が差してきたが、絢音の事が心配だった。
「体は……無事か?」
「うん……」
絢音が頷くのを見て安心した。
「そうか……、じゃ、もう寝るぞ」
「あの……」
しかし、絢音は少年に襲われた事が刺激となり、抑え込んだ想いが急激に膨らんでいた。
「なんだ?」
「私……」
「どうした?」
「辰さんに……」
「ん?なんなんだ」
それは心の中で密かに育んできた、確かな想いだったが……。
子供扱いされて笑い飛ばされるかもしれない。
そう思ったら、なかなか口に出せなかった。
「おい、はっきり言わなきゃ分からねぇだろ、まさかあのガキになにかされたのか?だとしたら正直に話せ」
辰はやっぱりなにかあったのかと思って不安に駆られた。
険しい顔をして絢音の顔を覗き込んだら、絢音は追い詰められたような気分になった。
「違う……、その、抱いて……欲しい」
勇気を振り絞って、遂に想いを口にした。
「えっ……」
辰は不意の告白に驚き、目を見開いた。
絢音をそういう目で見ていなかったからだ。
「なにを言うかと思や……、あのな、冗談はやめにして、おとなしく寝ろ」
びっくりしてかなり動揺していたが、なんでもないふりをして寝るように促す。