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第7章 少年
「辰さん、私……本気なんだから!」

絢音は子供扱いされたくなかった。
辰に女として認めて貰い、本気で抱いて欲しいと望んでいた。

「いや、あのな……、どうしちまったんだ、急に……」

辰は困ってしまい、どう答えていいか分からなくなった。

「私だって……」

いつまでも子供じゃないと、そう言おうとしたが……心の中がいっぱいいっぱいになり、堪らなくなって辰に抱きついた。

「あっ……」

辰は懐に飛び込まれ、面食らって固まった。
女を抱く位どうって事ないが、絢音はそういう女とは違う。

「好き……、私、本当に好きだから」

絢音は辰の胸に顔を擦り寄せ、辰の匂いに包まれながら……溢れ出す想いを吐き出した。

「あ……、っと~、参ったな」

辰は全身から冷や汗が噴き出し、かつてない程鼓動が高鳴っていた。

「辰さん、他の女の人と同じ事を……私にもして欲しい」

自分からこんな事を言うのは、はしたなくて恥ずかしかった。
けれど、絢音は辰が女を抱くのを見る度に、嫉妬して……悔しく思っていた。
自分は子供だから……そう思って諦めていたが、あの少年は自分に欲情し、無理矢理交わろうとした。
女として通用する事がわかり、とうとう我慢出来なくなったのだ。

「絢音……、その……」

辰はとりあえず絢音を抱き締めてみた。
すると、柔らかな体は充分女を感じさせる。
いつの間に成長したのか……驚くばかりだったが、石鹸の香りが鼻を掠め、開いた襟元から絢音の息が直接肌に触れてきて……性懲りもなく悪い虫が騒ぎ出してしまった。








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