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縁
第8章 クズの純情
◇◇◇
街へ来て1週間が経った。
絢音は親分の家でも、自ら姐さんの手伝いをした。
誰かに教えられたわけではなく、生まれ育った環境がそうさせたのだ。
姐さんは訳あって子を持てなかった。
だから、子供の事はよくわからなかったが、親戚縁者の子供達の中には、自ら手伝いをするような子供はいない。
姐さんは絢音を褒めたが、絢音は礼儀正しく行儀のいい娘だ。
正直、辰の娘がこれほどできた娘だとは思ってなかった。
姐さんをはじめ親分まで大層感心したが、姐さんは特に絢音を可愛らしく思い、お菓子を出して振舞ったり、髪飾りを持ってきて絢音の髪につけたりした。
「絢音ちゃん、お母さんはどんな人だったの?きっと美人だったのね」
昼食を済ませた後、居間のソファーに隣同士で座り、何気なく絢音に聞いてみた。
しかし、絢音は困った。
自分は最近になって辰に引き取られたという事になっている。
母については、適当な事を言って誤魔化さなければならない。
「はい……、っと……美人でした」
とりあえず、姐さんが言った事をなぞって言った。
街へ来て1週間が経った。
絢音は親分の家でも、自ら姐さんの手伝いをした。
誰かに教えられたわけではなく、生まれ育った環境がそうさせたのだ。
姐さんは訳あって子を持てなかった。
だから、子供の事はよくわからなかったが、親戚縁者の子供達の中には、自ら手伝いをするような子供はいない。
姐さんは絢音を褒めたが、絢音は礼儀正しく行儀のいい娘だ。
正直、辰の娘がこれほどできた娘だとは思ってなかった。
姐さんをはじめ親分まで大層感心したが、姐さんは特に絢音を可愛らしく思い、お菓子を出して振舞ったり、髪飾りを持ってきて絢音の髪につけたりした。
「絢音ちゃん、お母さんはどんな人だったの?きっと美人だったのね」
昼食を済ませた後、居間のソファーに隣同士で座り、何気なく絢音に聞いてみた。
しかし、絢音は困った。
自分は最近になって辰に引き取られたという事になっている。
母については、適当な事を言って誤魔化さなければならない。
「はい……、っと……美人でした」
とりあえず、姐さんが言った事をなぞって言った。