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第8章 クズの純情
絢音は家事の合間に父親の目を盗み、独学でこっそり読み書きを覚えたので、不自由がない程度にはできる。

「そうなの、あんな山の中じゃ学校は遠いし……、あのね、よかったらここに居てもいいのよ、あっ、今争ってる最中だからそんな事言ったら不謹慎ね」

姐さんはこんな可愛らしい娘が家に居てくれたら……と、思いつきで言ったのだが、今言う事ではないと気づき、慌てて言い訳をした。

「だけど……無事解決したら、その時は考えてみて」

ただ、望みを捨てたわけじゃなかった。

「はい……」

絢音は辰の傍を離れるつもりはなかったが、姐さんの気持ちを汲んで返事をした。









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