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第8章 クズの純情
5人はすぐに2階へ向かった。
狭い階段を駆け上がり、手前から順に襖を開けていったが、2階は真ん中に廊下があり、両側に部屋がある。
最初は無人だった。
その隣の部屋を開けたらそこも無人だったが、更に隣へ行こうとした時に、背後から銃声が響いた。

「う"っ!」

仲間がひとり撃たれた。
肩から血を流している。

「ちっ、卑怯な真似をしやがって」

辰は銃声がした方に向き直り、ズカズカと歩み寄って襖を蹴破った。
すると銃を構えた男が2人、辰に銃口を向けていた。
2人は奇声を上げて引き金を引いた。
辰は咄嗟に避けたが、弾がかすって腕から血が滲んだ。

「ちっ……」

5人はドスしか持ってない。
銃を相手にしたら圧倒的に不利だが、辰は足元のちゃぶ台を見て機転を利かせた。
ちゃぶ台を蹴り上げて端を掴み、それを盾にして2人に向かって行った。
敵2人は狼狽え、銃を構える手が震えている。
優勢に転じれば、呆気なくカタがつく。
5人は2人を始末して他の部屋をあたった。
順に開けていったが、5人はさっきの事で気が立っている。
二手に分かれて左右の座敷を同時に開け放ち、苛立つように1番端の部屋を開けた。








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