この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
縁
第8章 クズの純情
「あっ……、ははっ、そ、そうか……」
辰はどう答えていいかわからず、笑って誤魔化した。
今まで愛だ恋だと、そんな事には縁がなかった。
絢音には特別な感情を抱いているが、それをすんなり口に出来る程若くはない。
年が離れすぎている上に、自分がいかに最低な男なのか、自分自身が一番よくわかっている。
「私……本当に本気だから」
絢音は真面目な顔で言った。
「ああ、わかった……、いや、わかってる」
辰は気付かぬうちに絢音に恋をして、これ以上ない程好きになってしまった。
とっくに自覚していたが、好きだとは言えずに絢音の肩を抱き寄せた。