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第9章 悪い癖
百合子は孕んでも構わない位、辰の事が好きだった。
壁に手をついて出来る限り尻をあげる。

辰は品のいい百合子が乱れる姿に興奮し、望み通りに陰茎を突き入れて射精した。

「くっ……、うっ」

秘肉が陰茎を包み込み、ぎゅうっと締め付ける。
あまりの気持ちよさに、尻を窄めて思い切り放った。

「あ、あぁんっ」

百合子は甘く鳴いて辰の子種を受け止める。
膣内で暴れる竿を愛おしく思い、つま先で立って竿を奥に導き、全部受け止めようとする。

辰は繰り返し突いて出し切り、満足したら竿を引き抜いた。
ナニをさっさとズボンにしまい込んで百合子を自分の方へ向ける。

「百合子、俺はお前のようないい女が好きだ、だがな……ハッキリ言って体が目的なだけで、もし孕んじまっても一緒になるつもりはねぇからな」

勘違いされたら困ると思い、百合子に言い聞かせたが、辰は今までも似たような事をやらかしてきた。
なのに、運良く孕む女はいなかった。
それもあり、少々高を括っていた。

「は、はい、わかってます……、あなたに責任を問う事はしません」

百合子は一家離散した事で生きる希望を失っている。
初めて好きになった辰に、全てを捧げるつもりだった。

「ならいい、次はあさってか、終わったらまたここだ」

辰は百合子の気持ちを知っていたが、それに応えるつもりはない。
いつも通りやれるだけやるつもりだが、唯一進歩した事がある。
絢音の目の前で女を抱くのはやめていた。

「はい……」

百合子は辰が遊びでやっているだけだと、十分わかっていたが、湯女として不特定多数の男に抱かれるよりは、遥かに満たされる。
だから、構わなかった。


辰は何食わぬ顔で部屋に戻った。

「お姉さんは……宿に?」

絢音はちゃぶ台の前に座っていたが、辰を見上げて聞いた。

「ああ」

辰は炊事場に立って鍋の中身を見て答えたが、それは絢音のそばに行きづらいからだ。

「百合子お姉さん、美人だね」

絢音はさりげなく百合子の事を褒めたが、もう完全に気づいていた。

「おお、そうだな……」






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