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縁
第9章 悪い癖
◇◇◇
辰が戻って来て本を渡してくれた。
「本屋の親父がよ、奥から引っ張り出してきたんだ、ここじゃそんなのを必要とする奴はいねぇからな」
それはそうだろう。
ここは出稼ぎに来た男達を目当てに、色街と化しているのだから……。
絢音はそんな事を思いながら、育児本を開いてみた。
すると、月齢別に記載されてある。
「辰さん、この子は生まれてどの位?」
見た目じゃさっぱりわからないので、辰に聞いた。
「おお、2ヶ月って言ってたな、名前はな、すみれだ」
「すみれちゃんか……、百合子お姉さんが考えたのかな?」
まだ生まれてそんなに経ってなかったが、百合子と似通った花の名前だ。
「さあな、で、ミルクいるだろ?オムツもだ、女将が嫌々世話しててよ、哺乳瓶とミルク、それにオムツを持ってた、それらを全部出せっつって、ついでにとってきたんだ」
「そうなんだ、女将さんが」
辰が戻って来て本を渡してくれた。
「本屋の親父がよ、奥から引っ張り出してきたんだ、ここじゃそんなのを必要とする奴はいねぇからな」
それはそうだろう。
ここは出稼ぎに来た男達を目当てに、色街と化しているのだから……。
絢音はそんな事を思いながら、育児本を開いてみた。
すると、月齢別に記載されてある。
「辰さん、この子は生まれてどの位?」
見た目じゃさっぱりわからないので、辰に聞いた。
「おお、2ヶ月って言ってたな、名前はな、すみれだ」
「すみれちゃんか……、百合子お姉さんが考えたのかな?」
まだ生まれてそんなに経ってなかったが、百合子と似通った花の名前だ。
「さあな、で、ミルクいるだろ?オムツもだ、女将が嫌々世話しててよ、哺乳瓶とミルク、それにオムツを持ってた、それらを全部出せっつって、ついでにとってきたんだ」
「そうなんだ、女将さんが」