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女喰い
第6章 弥八郎
「そうですか……、あの、本当によいのですか? 」
お美代は弥八郎の気持ちを知り、それならば……と思ったが、彦兵衛を怒らせて万一弥八郎に迷惑がかかっては事だ。
躊躇いながら聞いた。
「ああ、親父は町奴を使ってるようだが、俺は旗本奴で親しくしている者がいる、そいつに頼んで番をする人間を手配して貰う、長屋に押しかけてきても大丈夫なようにな、旗本奴は元は武士だ、腕はたつ」
弥八郎は用心棒を置くつもりでいる。
町奴も旗本奴も、どちらも同じヤクザだが、弥八郎が言った通り旗本奴の方が剣の腕は確かだ。
「あの……、弥八郎さん、じゃあ、わたし……」
お美代は話に乗る事にした。
「ああ、任せときな、今日はそれを言いに来たんだ、俺はこれで帰るが、体が治っても屋敷には戻るな、な、産婆さんよ」
弥八郎はお美代に念を押して産婆に声をかけた。
「はいよ、ああ、今茶を出します」
産婆は釜戸で湯を沸かしていたが、ゆっくりと振り向いて答えた。
「いや、茶はいい、それよりな、このお美代ちゃんだが、体が戻るのはあとどれ位だ? 」
弥八郎は大凡の日にちを聞いておきたかった。
「そうさね……、短けりゃあと7日かな」
産婆は顎に手をやって考え、おおまかに見当をつけた。
「7日か、わかった、それじゃあ、7日目にここに来る、あのな、頼みてぇ事があるんだが……、このお美代ちゃんを救う為だ、あんた頼みを聞いてくれるか? 」
弥八郎は再び来ると言って産婆に協力を仰いだ。
すると、産婆は待ってましたとばかりに表情を明るくする。
「若旦那、悪いがあんたの話聞かせて貰ったよ、ああ、協力するさ、旦那様には7日より多めに言っときゃいいんだね? 」
意気揚々と張り切って言ったが、弥八郎が説明するまでもなく、話を理解していた。
お美代は弥八郎の気持ちを知り、それならば……と思ったが、彦兵衛を怒らせて万一弥八郎に迷惑がかかっては事だ。
躊躇いながら聞いた。
「ああ、親父は町奴を使ってるようだが、俺は旗本奴で親しくしている者がいる、そいつに頼んで番をする人間を手配して貰う、長屋に押しかけてきても大丈夫なようにな、旗本奴は元は武士だ、腕はたつ」
弥八郎は用心棒を置くつもりでいる。
町奴も旗本奴も、どちらも同じヤクザだが、弥八郎が言った通り旗本奴の方が剣の腕は確かだ。
「あの……、弥八郎さん、じゃあ、わたし……」
お美代は話に乗る事にした。
「ああ、任せときな、今日はそれを言いに来たんだ、俺はこれで帰るが、体が治っても屋敷には戻るな、な、産婆さんよ」
弥八郎はお美代に念を押して産婆に声をかけた。
「はいよ、ああ、今茶を出します」
産婆は釜戸で湯を沸かしていたが、ゆっくりと振り向いて答えた。
「いや、茶はいい、それよりな、このお美代ちゃんだが、体が戻るのはあとどれ位だ? 」
弥八郎は大凡の日にちを聞いておきたかった。
「そうさね……、短けりゃあと7日かな」
産婆は顎に手をやって考え、おおまかに見当をつけた。
「7日か、わかった、それじゃあ、7日目にここに来る、あのな、頼みてぇ事があるんだが……、このお美代ちゃんを救う為だ、あんた頼みを聞いてくれるか? 」
弥八郎は再び来ると言って産婆に協力を仰いだ。
すると、産婆は待ってましたとばかりに表情を明るくする。
「若旦那、悪いがあんたの話聞かせて貰ったよ、ああ、協力するさ、旦那様には7日より多めに言っときゃいいんだね? 」
意気揚々と張り切って言ったが、弥八郎が説明するまでもなく、話を理解していた。